image_pdfimage_print

概要

1974年10月に発売された荒井由実のセカンドアルバム「MISSLIM」(ミスリム)の4曲め
の歌です。
作詞/荒井由実 作曲/荒井由実

特徴

「MISSLIM」全曲を通して演奏しているのは「ティン・パン・アレー」(キャラメル・ママ)が
中心メンバーで、コーラスは山下達郎&シュガーベイブです。
「ティン・パン・アレー」のメンバーは今になってみれば超豪華です。
   ベース/細野晴臣 ギター/鈴木茂 キーボード/松任谷正隆・佐藤博 ドラム/林立夫
荒井由実の新しい世界観と「ティン・パン・アレー」の洗練された演奏が作ったこの名盤の中で、
特に都会的でアンニュイな「海を見ていた午後」は多くのファンに支持され、曲の舞台の横浜の
カフェレストラン「ドルフィン」を有名にしました。

曲に付けたコードを見てみると、やはり「セブンス(7)」「メジャーセブン(maj7)」が多く、
虚しさや哀しみのある音の響きになっています。
知っている人は多いと思いますが楽器を演奏したことのない人のために、ちょっと解説…
     例えば「C」の和音はド・ミ・ソ。「C7」はシの♭を加えてド・ミ・ソ・シ♭。
     「Cmaj7」はシを加えてド・ミ・ソ・シ という和音になります。
     近くに鍵盤のある楽器があったら、これらの音を同時に弾いてみればわかります。
特にmaj7の響きは5月の街角を吹き抜ける風のように都会的で、荒井由実はメジャーセブン・コードを使った曲作りを意識してやっていたのではないかと思います。

歌詞

作られてから50年近く経ってもこの歌の詞は素晴らしく、Jポップの歴史に残る名曲になっています。
僕が特に好きなところは2番の頭の、
「あの時 目の前で 思い切り泣けたら 今頃 二人 ここで海を見ていたはず」という部分です。
泣こうと思えば泣けたのに、何かがこの歌の主人公に泣くことを拒ませたのです。その何かについてはこの歌の中ではもちろん明かされてはいません。1981年に女優の高橋洋子が発表した小説「雨が好き」の主人公の女性が、ここは泣く場面だと思えば泣くことができると告白していて、当時の僕はそのことにとても驚いたことを思い出します。
そういう話まで持ち出すと、この歌詞はかなり複雑な女性心理が描かれているいることに気が付きます。
そして、歌謡曲を含め、それまでの日本の歌で、失った恋の淋しさをこのような方向から表現した歌詞があっただろうかと思ってしまいます。

坂の上にあることや店の名前、そこから海が見えることなど、これ程具体的なディティールを書いた
歌詞というのも、とても新しい試みだったと思います。?
この具体性が歌詞をたいへんにリアルなものにして、聴く人の共感を誘って名曲になったと思います。

個人的な思い出

30年以上前、まだ結婚する前に妻と夜に「ドルフィン」を訪ねたことがあります。
横浜の根岸駅から30分くらい坂道を歩いて行ったところに「ドルフィン」はありました。
当時、1階がカフェで、2階がレストランだったと思います。
窓際の席から東京湾が見えて、眼下の民家の無数の灯りと、海岸線に並び立つ石油コンビナート
工場の、オレンジの光がたいへんに幻想的で感激したのを覚えています。
(敬称は略しました)

      

石油コンビナートの夜景(参考写真、実際とは違います)

【じゃらん】国内25,000軒の宿をネットで予約OK!2%ポイント還元!

荒井由実 「MISSLIM」(Amazon)

お問い合わせフォーム

ブログランキング・にほんブログ村へ
ポチッといただけると励みになります!