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[所澤 秀樹]の鉄道旅行 週末だけでこんなに行ける! (光文社新書)
所澤秀樹著(光文社新書)

鉄道のことだけでなく地域性についても書かれていて、そこも面白かったのでそこから紹介したいと思います。
これはよく問題になることですが、東海道本線の駅そばで関東風、関西風の境界はどこかということについてです。所澤さんは米原駅ではないかと書いてます。ダシ汁だけでなく、天ぷらうどんの上にのっている天ぷらも天かすを円盤状に固めた関西風にしっかりなっていると付け加えています。天ぷらも、関東と関西では違いがあることを、今まで気にしたことがなかったのでビックリしました。
面白いのは、札幌など北海道に行くと、ダシ汁は色こそ黒いけど昆布だしになり、天ぷらも関西風の天かすを円盤状に固めたものになるそうです。北海道と関西の間に不思議なつながりがあることを知らされました。

言葉のアクセントについても考察しています。近畿地方のアクセントは「京阪式アクセント」と呼ばれるもので、近畿地方二府四県と三重県、北陸地方、四国地方がその範囲らしいです。
しかしどういう訳か、近畿地方の西の中国地方に行くと「東京式アクセント」になるそうです。
例外として、四国地方は総じて京阪式アクセントなのに、宇和島付近など愛媛県西南部とそれに隣接する高知県西部東京式アクセントだそうです。この本の中では書かれていませんが、何か理由があると思いますので、宇和島に行く時があればそれを気にしながら散策してみたいです。
広島県に行くと、だいぶ方言が強い印象ですが、アクセントは意外と東京式なのは驚きました。

寝台特急の旅のレポートを書いていてそれが面白いです。
一つ目は、北海道への旅で、往復「北斗星」を利用します。週末旅行がテーマなので、金曜日の夜に東京を出て、月曜日の早朝東京に帰ってきます。
北海道では、「スーパーとかち」で千歳線石勝線を走り、新得駅から根室本線で富良野へ行きました。その後、ラベンダー畑を見ながら、富良野線で旭川へ出て、最後に「スーパーカムイ」で函館本線を走り札幌へ戻るというものです。
この中でが僕が特に乗りたいと思ったのは、石勝線です。「車窓には開けっぴろげな牧草地が続き、民家はほとんど見あたらず、交差する道路はどこまでも一直線で、その遥か先に蒼い山脈が細長く横たわっているような景色を見ることができる」と書いています。本州では味わうことが出来ない景色だとと思います。

もう一つは往復「サンライズ瀬戸」を使った九州、四国の旅で、これもかなり充実しています。
金曜日の夜10時に東京駅を出発、土曜日の朝に岡山に到着して新幹線で熊本へ行きます。
熊本から豊肥本線日豊本線で別府へ行き、宇和島運輸フェリーの夜行便で愛媛県の八幡浜へ日曜日の早朝に到着します。
予讃線で宇和島へ、予土線、土讃線を乗り継いで琴平まで行きます。その後、高松琴平電気鉄道で高松へでて、「サンライズ瀬戸」で月曜日の早朝に東京に帰る行程でした。
岡山から実質二日間という時間でこれだけ周れることに驚きました。
この旅の白眉は、豊肥本線の立野駅のスイッチバックとその先の阿蘇の火口原の風景だと思いました。
阿蘇駅で下車してバスでロープウェイ乗り場のある阿蘇山西駅へ行き、ロープウェイで海抜1258メートルの火口西まで登ると壮観な景色が楽しめるそうですが、この忙しい旅で、列車を降りてバスに乗り換え絶景地へ行くというバイタリティーはすごいと思いました。(阿蘇山の噴火活動の影響で、現在ロープウェイは運行されていないようです)
豊肥本線も楽しみが多そうで興味深いです。

最後に「東海道五十三次 宿場巡り」というタイトルで、東海道の宿場の面影を残している町を10か所ほど紹介しています。最寄り駅からの行き方もていねいに紹介されているので、宿場町に興味のある人には面白いと思います。

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