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川本三郎著(文藝春秋)

映画に出てくるディテイルや小道具を取り上げて、同じ様なものが登場する他の映画に話題をリレーしていくという書き方の本です。
紹介されている映画は300本ぐらいあって、邦画、洋画、新旧入り混じっているので映画好きな人はとても楽しく読める本だと思います。

エピソードを少し紹介します。

「風立ちぬ」(ジブリ映画)
昭和初期の東京では「シベリア」というお菓子がかなりポピュラーだったため、ジブリ映画「風立ちぬ」にも登場しているという話です。そのお菓子は羊羹をカステラで挟むという、とても風変わりな和洋折衷なもので三角形をしていたそうです。そう言えば、東京の根岸辺りの小さな和菓子屋さんで昔見たかもしれない事を思い出しました。

「遥かなる山の呼び声」(山田洋次監督)
ラストシーンで倍賞千恵子さんが泣いている高倉健さんにハンカチを渡すシーンは、日本映画史上最高のラブシーンのひとつと言って大げさではないと川本さんは書いています。
電車内で連行する刑事の目を気にしながら、間接的な会話で倍賞千恵子さんは高倉健さんが出所してくるまで待っていることを伝え、それを聞いて高倉健さんは涙を流したのでした。
僕もこのシーンは多くの日本映画のなかでも名場面だと思っていました。
映画はこの場面の後に一同が乗っている列車を飛行機から撮影して終わりますが、この飛行機を使う撮影というのは、当時において大作感を出したい時に使われた手法だったということを紹介しています。

洋画についても同じ様にいろいろな話が書かれていますが、もともと知識の浅い僕には初めて知ることばかりでした。そして、DVDを借りて見たいと思った昭和時代の映画がたくさんありました。

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