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木内昇著(日本経済新聞出版社)

幕末の時代小説が好きな人にはお勧めの本だと思います。
主人公が江戸幕府の外国局という部署にいて、諸外国と貿易問題を折衝する仕事をしている一人の役人という視点がとても新しく新鮮でした。
この時代の小説というと薩長側からみて書いたものや、歴史上の有名人の話が多いと思いますが、一人の役人が見た明治維新時の江戸城内の様子というのは興味深いものがありました。

外国局を束ねる「奉行」という立場の高官の職に就く人達は、頭脳も人格も秀でた人が多かったことが書かれていますが、これは幕府にとって前例のない重要な仕事なのでそのような人達が選ばれたのだろうと思いました。
そして、この奉行職の人達が主人公に解く人生哲学がとても読ませます。やはりこれ位の人物には、物事が広く見えていたことがよくわかります。しかし、諸外国の経験豊富な外交力と、急激に変化していくい時勢に挟まれて苦労したことも詳しく書かれています。

読書後に調べたところ主人公や親しくしていた後輩実在の人物でした。そして、これらの人達は明治になってもいろいろと大きな仕事をしていました。
幕末の江戸幕府には優秀なな人材がたくさんいたことがよくわかりました。

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