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山本周五郎著(新潮文庫)

江戸時代の武士の家族を書いた短編集です。
そして書かれているのは、とても美しい心をもって人生を全うしていく女性たちとそのです。

「風鈴」という話では、身分の高下や貧富の差などは人生の大事ではなく、生きたことが自分にとって無駄ではなく、世の中のために少しは役立ち、意義があったと自覚できること。そして、人生の最後になって、人に惜しまれる人になるだけの仕事をしていくことが大切だと主人公の夫が語ります。

「二十三年」という話では、人間にとって大切なのは「どう生きたか」ではなく「どう生きるか」にあると、過去ではなく未来の人生の過ごし方こそが重要だと説いています。

どの話も武家としてきれいに生きるということを土台にして、いろいろなエピソードが語られています。率直に言って、市町村議員、都道府県議員、国会議員などの職に就いている人にも読んでもらいたいと思いました。自分を犠牲にしても人に尽くす気持ちを、これらの人達に今以上に持ってほしいからです。自分のために議員をやっているように見えてしまう人が目につく今の日本です。

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